【神商連しんぶん2018年06月号】
  • 仲間と共に好きな商売を続けたい!伸ばしたい!
    2018年4月22日 第11回商工交流会 270人で商売を交流

    地域の宝を探す話に元気が湧いた
    京都大学大学院 岡田知弘教授が講演

     

    岡田氏は最初に「地域の住民の命と地域社会を支えているのはだれか」と問いかけ、現代が『災害の時代』にあって、災害直後に小売店が水や食糧を提供し、建設業者が自発的に重機を用いて人命救命とがれき処理をおこなったことを紹介。復興段階でも本社が東京にある企業に発注しても資金は東京に集中し、地域再生の力にならないため、陸前高田では東日本大震災の時、地元資本のスーパーががんばって地域を支えた経験を話ました。日頃から自治体と業者団体、住民がつながっているところで、業者の役割が発揮されており、中小業者には日ごろから地域貢献を意識した経営が求められることを指摘しました。中小企業、業者、農家、協同組合、NPO、そして自治体が地域を支えていることを明らかにし、そこに再投資力をつくることが重要と話しました。

    経済はグローバル化しており、モノやヒトの行き来は世界規模になっているが、生身の人間が生活する『地域』が潤わないとグローバル経済が発展しても豊かにならないと指摘しました。「例えば、」として、京都では外国人観光客が増えても、中国人観光客はほとんどの支払いを自国内でアプリ決済し、観光地で円により支払われるのはコンビニとコインランドリーだけで、地域が潤わない状況になっていることを紹介しました。

     

    「地域が豊かになる」ことが住民生活を向上させる

     

    岡田氏は地域経済なしに国や世界の経済活動があり得ないことを指摘し、「なぜ、地域に光が当らないのか」問いかけました。国内企業の99%は中小企業だが、マスコミが報道するのは99%が多国籍企業であり、それが国民に影響を与えていると指摘しました。神商連のアンケートでは小企業者の取り引きの70%が県内となっていることを紹介し、地域で商売をしている中小企業にとって「信用が第一」なのに対し、買い手と距離があるグローバル企業は偽装しながら世界展開をしていると日本でも大企業の偽装が次々に明らかになっていると紹介しました。

    「『地域が豊かになる』とは、住民1人1人の生活が維持され、向上することであり、そのためには地域内で再投資力を広げることが求められている」と話し、企業誘致では利益は東京にある本社に吸い取られ、地域にお金が回わらないことをあきらかにし、地域内での循環をつくり、地域内取引を増やすため、小規模企業振興条例等をつくり、再投資力をつけようと訴えました。そして「『地域のお宝』を捜し、1人1人が輝く地域をつくろう」「そのために、憲法を暮らしに生かそう」と話し、講演を終えました。

    岡田先生の講演を聞いて、「業者の役割をはじめて知った。私たちの要求を自治体に伝えることが大切と思った」「足元を見て、地域の宝を探す話に元気が湧いた」などの感想が寄せられました。

  • 2018年 平和行進

    2018年5月7日〜19日にかけて平和行進を行いました。
    写真は、神奈川県川崎区内を歩く平和行進の様子です。

  • 第1分科会「経営分析と事業計画づくり」 経営計画づくりが楽しく

    第1分科会「経営分析と事業計画づくり」は34人が参加しました。最初に中小企業診断士の上品忍さんを講師に勉強会。後半は4〜6人のグループに分かれて、自己紹介をしながら事業計画を議論しました。

    その後、中小機構が作成したアプリ「経営計画つくるくん」(「経営計画つくるくん」で検索。ダウンロードできます)を利用して事前に計画を作成した津久井岳志さん、岡部郁子さんと佳代子さん、鴨志田詞朗さんが報告し、上品さんから批評がおこなわれました。

    A-4サイズの用紙に経営計画がきちんとおさまる形式で簡単に対応でき、「つくるくん」で作成し始めると大変楽しくなるとのこと。

    定期的な学習会で経営計画づくりに挑戦しようと呼びかけられました。

  • 第2分科会「小企業と自治体施策」 今、中小企業支援は総力戦

    第2分科会「小企業の活躍を促す自治体施策」では最初に前川崎市経済労働局長の伊藤和良さんが講演。1980年代円高不況で海外への移転が「出るも地獄、残るも地獄」の状況下で市職員として現場主義を貫き、中小企業者との信頼関係をつくり、製品開発や技術力の高付加価値化を支援する事業を展開。「御用聞きとおせっかい」をキーワードに支援にとりくんだ経験を紹介し、「中小業者が無くなれば日本の産業はつぶれる。中小企業支援は総力戦」と結びました。

    その後、地方議員から市場をめぐる情勢や守るとりくみ、業者から金融機関との付き合い方、仕事おこしのとりくみなどの発言や質問があり、午前中講演した岡田知弘さんや伊藤和良さんも参加し、討議しました。

    住宅リフォーム助成制度やTPP11と種子法・公共調達など様々な問題が話し合われました。

  • 第3分科会「消費税と社会保障」 消費税増税とインボイスはだめ

    第3分科会「消費税と社会保障の負担増から経営を守る」の分科会は33人が参加しました。

    最初に中山直子税理士を講師にした消費税とインボイス制度を学習。中山さんは低所得者、零細業者いじめなど消費税の性格を明らかにし、各種税金と社会保険料の負担が生活をどれだけ圧迫しているかを話しました。滞納を生まない、差押にならないためにどうするかに話を進め、換価の猶予などの活用を紹介しました。また、複数税率とインボイスの実施スケジュールや具体的な内容を説明し、全商連の「納税者の権利宣言第5次案」を示して、この方向で運動しようと訴えました。

    運動の交流では戸塚民商の原哲也さんが税務調査を打ち切りにした経験を、相模原民商の東海林邦信さんの調査是認を勝ち取った経験、厚木民商の梅津欣也さんが厚木市の強権的な徴収の実態と改善を求める運動を報告しました。

  • 第4分科会「町の工務店が生き残る道」 地域に根差す営業を

    第4分科会「町の工務店が生きる道」は25人が参加しました。ハウスメーカーに仕事が奪われ、町場の工務店の状況は深刻です。「厳しい状況だから、業種は違うけど参加した」という方もいました。

    最初に鎌倉市で工務店を50年経営しているYさんが半径2キロの地図に仕事をした家をマーキングする、瓦版を1万枚地域に配布するなど「地元で仕事をするための心得」をテーマに報告。今は工務店が何をやっているかを知らないお客さんが多いのでどう知らせるか、多様なとりくみを話しました。

    地域に根差した営業の考える教訓的な分科会となりました。

  • 第5分科会「私の商売をアピール」

    第5分科会「私の商売アピールしたい人集まれ!」は27人が参加しました。

    「メガネのユキ」の五十嵐晋さんは「親から引き継ぎ、攻めの商売に切り替えた」と報告。「黒田ダルマ」の黒田和子さんは健康補助食品が商売。「便秘が治った。薬が減った」と聞くと嬉しくなると話しました。「有井電気」の有井勝司さんは「インターネットで商売を売り込めないか検討している」と報告。「旧ァ央清掃営繕社」の小川紀佳さんは「商売を好きにならないといけない」と話しました。「潟Oリーンポケット」の林兼由さんは「売り上げ目標を決めて、商売をしている」と報告しました。

  • 第6分科会「女性の視点で商売を交流」

    第6分科会「女性の視点で商売を交流」は8人の方が商売のプレゼンテーションをおこない、9人の方が展示をおこないました。85人が参加しました。

    プレゼンテーションでは前半にうなぎ屋「久松」の竹蓋ヨシさん、軽貨物業の「相川ツセ子さん、英語塾経営の渋谷とみさん、スナック「カントリーマーム」の中瀬ハルヨさんが発表。展示販売の交流をはさんで、後半に「あんま家の心」の中野正恵さん、スナック「はごろも」の日野眞智子さん、ネイルサロン「MMstyle」の進藤真弓さん、中華料理店「西海亭」の須田セツ子さんが発表しました。

    出店ではアクセサリー、着物、婦人服、豚漬け、焼き菓子が出展され、エステの実演が行われました。

  • ふいごとそろばん 厚木民商 下谷 清人さん

    2年前にお袋が亡くなり、頼れる人は一番上の姉だけになりました。これからは姉を大事にしたいと思い、毎年姉に会おうと昨年初めて姉が嫁いだ壱岐対馬に渡りました

    ▼壱岐対馬は真珠産業が有名ですが、私の故郷、五島列島と同じで過疎化が進んでいます。韓国に一番近く、外国人の観光客目当てに呼び寄せていますが経済効果は出ていないようです。土地を韓国の人に売却している人もいるそうです

    ▼日本経済は規制緩和の影響で力のある人だけに富が集中し格差がますます広がっています。安倍政権の何でもありきの経済がどんどん進んでいます。そういった意味でもお友達優先のモリカケ問題を徹底追及し、安倍政権は総退陣させなければなりません

    ▼私は県連で副会長をやっています。神奈川の中小業者の深刻で大変な状況をよく見聞きします。地元厚木では5月14日付の商工新聞に掲載されましたが、市民サービスの立場を放棄して、税金の「滞納は全て悪」と決めつけた強権徴収に走る厚木市の姿勢に本当に怒りを持っています。その為にも多くの人に訴えて地元から変えていきたいと思います。

    厚木民商 下谷 清人

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