【神商連しんぶん2016年08月号】
  • 商売をつづけたい!経営は自分で守る!
    強権的な社会保険料徴収を年金事務所と交渉 相模原民商 佐伯 雅美さん(仮名)

    ―看護事業の実態―
    佐伯さんは相模原市内で看護事業を経営しています。自宅にこもりがちの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的としています。
    佐伯さんは事業を始めて11年目。「困っている人の力になりたい」と誇りをもって仕事を続けてきました。利用者のニーズのほか、医療という面で厳しい基準があります。市からの補助もない小さな事業所が経営を続けることは大変な苦労です。佐伯さんは設備投資などで費用がかさみ、社会保険料の支払いが滞るようになりました。
    事業収入を上げるためには経費を抑えるしかありません。しかし、必要なサービスの質を落とさずに医療・看護を提供し、事業収入もアップさせることは命にかかわる現場では並大抵のことではありません。従業員を減らせば、効率良く質の良い看護提供もできなくなるという悪循環に陥ります。佐伯さんは、経費を考え、自らも看護スタッフとしてフル回転し、合間をぬって資金繰りや帳簿づけ、経営改善努力に奔走する毎日です。

     


    ―「払えなければ差押える」―
    佐伯さんは民商に入会する以前から年金事務所へ多い時には月に数回足を運び、発生分と払える滞納分を納め、分納計画と事業の実態について誠意をもって話をしてきました。
    しかし、毎回のように「滞納分を払えなければ、差し押える」という年金事務所の対応に先が見出せず、精神的に追い詰められ、いつも支払いのことばかり考える日々でした。窓口担当者からは「上司から『払うのか払わないのかだ。いちいち滞納者の事情なんか聴くな』と言われている」と言われ、愕然としました。「年金事務所は徴収することだけしか考えていない。『税の公平性』を理由に私たちを切り捨てる。結局、私たちを待っている利用者の暮らしまで目を向けません。『滞納は悪』で私たち事業主の経営や仕事への思い、会社がつぶれても『滞納』が減ればそれでいいと考えているんだ」と希望を失いかけました。
    厚労省交渉での「滞納者の相談には実情に合わせるように指導している」という日本年金機構の回答も力に、民商の仲間と一緒に再交渉した5月に、年金事務所はようやく具体的な支払い相談に応じました。佐伯さんは発生分と滞納分の支払いを計画通りに実行しています。

     


    ―困っている人をサポートしたい―
    佐伯さんを支えているのは「看護師として困っている人をサポートしたい」という思いと、この仕事のやりがいです。利用者に必要とされ、社会に貢献しているという使命感。そして、一緒に働く職員の生活を守りたいという強い思いがあります。
    窓口で「保険の仕事で売り上げているのに、保険料を支払わないなんてどうかしている」と言われたこともありました。佐伯さんは「払えないことで犯罪者扱いされているよう。遅れると二言目には差押えると脅される」と苦悩を語ります。
    また、小規模事業者が看護事業を続けていくことの厳しさを強調します。「ニーズがあるんだから儲かるだろうと言われますが、決してそうではない。看護事業は利用者のケアに心を砕く。一生懸命やれば、経費も人手もかかる。基準に沿ってきちんとまじめにやろうと思えば思うほど、儲けることが難しい仕組みになっている。事業を続けたい、頑張っていきたいから相談をしているのに、そこに耳を傾けてくれない」と、行政の姿勢に矛盾を感じています。「ニーズがあり、社会的に必要とされている職場だからこそ、続けていかれるよう、行政は応援してほしい」と力を込めます。

     


    ―仲間ができて心強い―
    佐伯さんは、これまでたった一人で悩んできました。
    今は、親身に相談にのってくれ、自分のことのように考え一緒に行動してくれる民商の仲間がいます。「民商で相談できる仲間ができたことが何より一番うれしかった。まるで、昔からの知り合いのように温かい」と語ってくれました。
    佐伯さんは、今、自らの経営を見つめなおす記帳に挑戦しています。帳簿をもって、「今月はがんばったと言ってもらえると思うよ」と話す明るい笑顔が印象的です。

  • 事業計画で「経営が見えた!」
    「小規模事業者持続化補助金」獲得したぞ☆ 横浜緑民商

    「あきない塾」では、作成した事業計画をお互いに意見交換、集団討議することによって、客観的に説得力のある事業計画にしようと努力してきました。昨年の初挑戦時は、つき合いのある会員同士でも遠慮がちでしたが、2回目の今年は、少しずつお互いの商売や事業計画について意見を出せるようになりました。
    参加者の一人は、補助金獲得の際に必要な自己資金を銀行の借り入れでまかなう計画です。「みんなの意見も取り入れて、しっかり作った事業計画だから説得力があった。相談した銀行の対応も良かった」と喜んでいます。参加者は事業計画作りで自分の経営を数字でつかみ、見つめ直す大切さを実感しています。
    7月15日、申請した3人のうち、鰍sERA企画の寺門朋子さん(旅行業)、うおたま&くうかいの西原聡さん(飲食業)の2人に補助金獲得の嬉しい知らせが届きました。
    西原聡さんは「漫然としたものから、説得力のある事業計画へ練り直すことができ、自分の目標がはっきりと見えてきた。第三者に、自分の商売にかける思いを理解してもらえるように表現するのは難しい。『あきない塾』で仲間に読んでもらい、意見を交わしながら何度も書き直したことがよかったと思います」と喜びを語ってくれました。

  • みんなで行こうよ☆商売交流しよう!
    9/18・19 第14回業者青年交流会in静岡 神青協 高浦 吉史さん

    青年部員、業者青年のみなさん、こんにちは。9月18日・19日に静岡県掛川市で「第14回全国業者青年交流会」が開催されます。その名の通り全国の業者青年が集まり、学び、交流を深める唯一の機会です。
    前回の全国業者青年交流会には神奈川県から15人の仲間が参加しました。参加者からは「全国の仲間のたくましさに感動。行ってよかった」「多くの業者青年と交流できた!」「自分の未来を見据える大切さを知った」「また参加したい」など感想が出され、大反響でした!
    今年は20人の参加目標を達成するために、役員や幹事が先頭に立ち、幹事会やカンパの訴えに日々奮闘しています。
    2年に一度の貴重な機会です。業者青年のみなさん、ぜひ、一緒に参加しましょう。全国の仲間と交流し、商売を発展させていきましょう!

  • 「働き分を認めて!」個人の尊厳守るたたかい 神婦協

    神婦協、民商婦人部は長年所得税法第56条廃止の運動にとりくんできました。この6月議会では、全国と足並みをそろえ、神奈川県すべての自治体へ56条廃止の意見書を採択するよう、請願・陳情にとりくみました。採択されたところはありませんでしたが、全県の仲間が気持ちをひとつにとりくんだことが励みと確信になりました。
    何度も会派要請をおこない、初めて懇談ができたり、紹介議員や委員会、本会議で賛成をしてくれる議員が増えるなど一定の前進がありました。意見陳述も旺盛におこない、質問にも答えられるように猛勉強して臨んだり、男女共同参画課と意見交流するなど、それぞれの婦人部が創意をもって重層的にとりくみました。
    所得税法第56条とは自営業の家族従業者が家業で働いた場合、その給料を必要経費と認めないとする条文です。隣のお店で働けばお給料をもらえるのに、自分の家だと認められない。明治の家父長制時代につくられた女性や家族従業者の人権を踏みにじる法律です。ついに国連からも日本政府へ見直すよう勧告が出されました。
    個人の働き分を正当に認め、すべての働く人間の人権を尊重するために56条は必ず廃止にしなければなりません。個人の尊厳と憲法を守る社会をつくろうという市民運動を力に世論を広げ、神婦協は56条廃止を必ず実現するために引き続きがんばります。

  • 商売・人生を語る
    「お客さんの顔を見て商売したい!」 川崎中央民商 金澤 文昭さん
    【ラーメン一龍】川崎市川崎区浜町2-14-3 TEL:090-9968-3586

    金澤さんが川崎でラーメン店を始めて今年で12年になります。以前はデパートのレストランでコックもしていましたが、「お客さんの顔や反応を見て商売したい」と、小さくても、いつかは自分で店を持ちたいと考えていました。川崎で店を持つ前は、寒川神社近くの「一龍」という中華料理店で働いていました。屋号の「ラーメン一龍」もそこからもらいました。
    川崎で店を持ちたいと茅ヶ崎民商に相談して紹介された川崎中央民商に申告相談で入会。
    オープンからメニューの値段は上げていませんが、仕入れ値は消費税が上がるたびに増えるので、少しでも安い仕入れ先をと、毎日区内を走り回っています。餃子やチャーシュー、メンマもすべて自家製。初めて餃子を食べたお客さんが手作りのおいしさに惹かれて何回も来てくれるうちに評判の餃子となりました。
    店が工場地帯に近接しているので、平日は会社の従業員さんが、休日は地域の家族連れが来てくれるので、お客さんが途切れることがないといいます。今は2人の娘さんの成長を楽しみに、体の続く限り頑張りたいと語ります。

  • ふいごとそろばん 小田原民商 小川 謙治さん

    私は小田原に育ち18才で建設会社の現場監督として勤務。バブル期で早朝から夜中まで休みなく働く過酷さに退職後、看板の仕事に出会い、3年間の修行後、個人で起業しました。
    ▼この頃、N広告を手伝うようになり、一年程すると、社長から「もう年で跡継ぎもいない。築いた会社をたたむのは惜しい。君を跡継ぎにしたい」と突然言われました。こんな事があるのかと驚きましたが、よく話し合い、一千万円で会社を譲りうけました。しかし、前社長の動向と話が大分違っていて、騙されたこと、ひどい状態で会社を継がされたことが分かりました。
    ▼会社が会員だったため、民商に相談をして5年間の裁判をたたかいました。前社長の手段を選ばない数々の営業妨害で会社の評判が落ち、経営自体が困窮する毎日でした。民商の山本事務局長やたくさんの仲間に励まされ、大変ですが、何とか頑張っています。
    ▼小田原民商の力になりたいと一昨年から副会長になり、青年部にも所属しています。まずは、5ブロックが団結して若い青年を集め、民商を盛りあげていきたいと思います。

7つのまちがいさがし

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