横浜地裁が実態に合わない推計課税を認めず
大和民商
「店内のイスや鏡などのセット台数で客数を予測して課税することは合理性に欠ける」― 大和民商会員の菊池昭二さん(美容業・62歳)が、大和税務署を相手に更正処分の取り消しを求めた裁判において、7月4日に横浜地方裁判所は、「実態に合わない推計課税は認められない」として、大和税務署に対し更正処分の一部取り消しを命じる判決を言い渡し、大きな成果を勝ちとりました。
突然の税務調査
菊地さんは81年に、神奈川県綾瀬市にビューティーサロン「エツ」を開業。勤め人だった昭二さんが会計を担当、妻の悦子さんが店を担当と二人三脚で、地域の美容を担ってきました。8年前の93年11月に、なんの事前通知もなく、税務調査が入りました。お客さんのいない昼時でしたが、昭二さんが不在のため、とりあえず署員には帰ってもらうことをうながしましたが、「レジスターは使えるのか?」「カルテはあるのか?」と執拗に質問をされました。しかし、以前にも別の税務署から調査に入られていたので、民商の「税務調査についての10の心得」を思い出し、毅然とした態度で別の日に調査を改めさせました。
そして、民商に相談。自主計算に自信のあった菊地さんは、12月7日に、再調査に応じました。「立会い」は拒否され、民商事務局員は外の車の中で待機。大和税務署員は、午前10時から午後4時までの6時間に及んで帳簿を調べました。その後、2回の調査を経て94年3月8日、大和税務署は「帳簿書類が不備」として、90〜92年の「青色申告承認取り消し」の更正処分を決定しました。
申告所得の三倍の推計
当時あった支店が不況で閉鎖したにもかかわらず、税務署は店のイスや鏡などのセットの台数から売上を推計。菊地さんの申告をした所得の3倍で課税を押し付けてきました。
「以前の厚木税務署の調査時は、若干の修正はあったものの、青色申告要件は満たしており、問題がなかったのに、どうしてなのだ」と、納得のいかない昭二さん。「納得のいかないものに応じるのはいや」と、昭二さんよりも積極的に裁判で闘う姿勢の悦子さんや民商の仲間にも励まされ、「自分の人生を汚されてたまるか」と裁判で闘う決意をしました。
96年3月に第1回目の公判が開かれ、今回の判決まで29回にも及ぶ長期間の裁判となり、「苦痛ではないが、仕事や旅行など、何をやっていても、常にのどに何かひっかかっているような感じ」と、昭二さんは裁判中の心情を話します。そんな時は、民商の税対部で相談し、裁判1回毎に開かれる「反省会」でうっぷんを晴らしたといいます。
合理性がないと判決
判決の日。「やれることはやった」という満足感を胸に判決を聞きます。裁判官が長い主文を読み上げ始めた時点で「おっ!」と思った昭二さん。
「本店、支店とも店内のイスや鏡などのセット台数で客数を予測して課税することは合理性に欠ける」として、税務署の主たる推計方法を認めない画期的なものでした。そして、税務署側が裁判の途中から主張をはじめた「従業員の給料から推計する課税方法」について、本店の分は認めたものの、支店については、特殊な事情が存在しているとして、認めませんでした。
「裁判の途中までは、本店の推計にも合理性がなかった。しかし、裁判長が『これで結審してもよいのか?』と税務署側に水を向けたため、ここの分は勝ちとれなかった。民商の仲間と相談し、高等裁判所での闘いに持ち込むのか検討したい」と話す昭二さん。
長年にわたった裁判の一部勝利に、充実した笑顔を浮かべていました。
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自主計算・自主申告で不当な税務調査と闘う!
厚木民商
建設業を営むAさんの事務所に、突然税務署員が訪れ、調査を強要してきました。Aさんはすぐに民商に連絡。厚木民商から2人の役員が応援に駆けつけました。Aさんは高齢のため、夫婦して病院に通っており、商売を続けていくのが大変な状況でした。応援に駆けつけた民商役員は「Aさんの商売に支障をきたさぬよう、調査は必要最小限にとどめてほしい」と税務署員に強く要請をしました。その後、調査は少額の修正で無事終了。Aさんは皆さんのおかげで、すぐに済んで良かった」と喜んでいました。
民商では、調査についての「10の心得」を呼びかけ、不当な税務調査を許さない運動をしています。また民商では、班や支部で税金の計算会を開き、自分の税額は自分で確定する「自主計算・自主申告の運動」も推進しています。これにより、「自分の商売が客観的によくわかる」「突然の税務調査がいてもこわくない」「税金の不平等さがみえてきた」など、自分の商売に大いに役立っています。
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税務調査で「是認」を勝ち取った!
大和民商
大和税務署管内で昨年度の是認件数は2件でした。(情報公開制度で調べる)これは2件とも大和民商の会員でした。
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納得がいかない税務調査の結果を修正させる
横浜南民商
洋品店のSさんは税務調査時に給与と家賃を否認され、納得のいかないまま修正申告に判を押しました。その後、民商と相談し、税務署に「更正の請求」をおこない、Sさんの主張が認められました。
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