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商売人生を語る
技術と丁寧な仕事が次の仕事を生む

縫製業 二宮法衣店 
平塚民商
山本修一さん
中郡二宮町二宮15-11
Tel 0463-72-0328


 この道40年、袈裟・衣を作る仕事を営む、二宮町の山本修一さんを訪ねました。
 現在の仕事に入ったのは28歳の時。新日鉄に就職して社会人になり、その頃は、組合活動などに熱中しました。勤めて4年目に、選挙の専従を募集していると聞き、勤めを辞めて川崎で共産党の選挙専従になりました。選挙後は、党が引き続き専従を抱えられる財政状況でない事を知り、職を探すため、実家のある二宮町に帰ってきました。
 百科事典のセールスを数年やり、その間に選挙があると専従をやるために仕事を辞めたり探したりを繰り返していましたが、28歳になった時、「こんな事をしていたら親に迷惑をかける」と思い立ち、近所で法衣店を営んでいる人の弟子にしてもらいました。その時、初めて針を持ちました。
 小間使い程度の賃金だったので、しばらくは親のすねをかじっていましたが、3年位経った頃には自立できるようになりました。
 この仕事は隙間産業で、全国に8万位の寺院がありますが、市場の規模が狭いため、大企業が参入しにくいのが特徴です。業界の中心地は京都。西陣や国産の絹織物を材料に縫っていますが、織物業界の衰退には心が痛みます。神奈川県には3軒しか同業者はおらず、私のところも後継者がいないのが寂しいところです。
 平成7年に町会議員に立候補し、1期勤めました。生活のため、この時期も仕事をしていたのですが、やはり両立は難しく、売上も下がりました。2期目は落選したため、以後、仕事と活動の生活に戻りました。
 顧客は近隣のお寺がメインです。景気の良い頃は、檀家になっている自営業者が、袈裟や衣を寄付するということが多かったのですが長い不景気で、そういうことは少なくなりました。「規制緩和」や「構造改革」で中小業者が追い詰められている状況が、仕事にも反映しているようです。業者が安心して商売が出来る社会をつくることは、本当に大事だと思います。
 40年やってきてよかったと思うのは、マイペースで出来る事。デザインが変らないので、流行に流されないで仕事が出来る事です。しっかりした技術で信頼を得られるような仕事をする事、丁寧な仕事、メンテナンスをきちんとする事が、次の仕事を生みます。着心地のいい、体に合ったものを作る事を心掛け、お客様の声をよく聞き、それに応える仕事をすると、おのずと腕も上がってきます。これからも、それを理念として仕事を続けていきます。

神商連しんぶん2011年9月(第249号)より

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