■ 高い技術の仕事は俺達にまかせろ -中小業者の声を自治体へ-
昨年秋のアメリカ発の金融危機で、日本の経済は戦後最悪の不況に陥っています。この危機の中でも政府は、大企業・財界にカオを向けた経済対策をとり続け、中小業者は後のない瀬戸際に追い込まれています。この間、民商・全商連の運動で、使いやすい緊急保証制度などが充実してきました。民商に集まる会員は、自治体や政府に声を届け、営業を切り開くために奮闘しています。
川崎中原民商の柳沢芳信さんは、二人の弟である治信さん、明信さんとともに、お父さんが起こした会社を後継。汎用旋盤からスタートした会社は、機械部品加工、治工具設計製作などの技術を培ってきました。
現在では、設備や技術者を大幅に増やし、機械部品加工だけではなく、金型製作や精密試作部品なども大きな柱の一つになっています。関連する業界も、半導体業界から自動車産業、航空宇宙、原子力関連、エコロジー関係など広範にわたってきました。
蓄積された技術に創意・工夫を重ね、得意先の要望に応える努力をたゆまず続けています。その努力によって、バブル崩壊後や消費税増税による不況も乗り越えて、前進してきたのです。
しかし、サブプライムローン問題が発生してから、景気は落ち込み始め、世界同時不況は、地道な努力を叩き潰すごとく、襲い掛かりました。昨年秋以来、売上げは50%前後を推移しています。
「まさか!」の大不況になすすべもなく、大きな赤字に見舞われました。仕事があっても利益率が低く、リーマンショック以降、受注が半減。見積もっても見積もっても受注できない苦しみの日々です。
「アメリカ発の新自由主義経済政策に乗って、国内市場を海外投資家に明け渡した自公政治。この失策の犠牲にあえぐ中小業者や国民に対する行政・金融機関の責任は言い知れぬほど重大」と柳沢さんは様々な場で告発を続けてきました。
「思いつく手立てはすべてやってきた。絶対につびさない」と柳沢さんは言います。雇用安定助成金の活用、家賃の減額、経営安定資金の2年間据え置き、など。さらにこの7月には納付困難になった社会保険料の支払い猶予と分割返済を求め、「従業員の生活を守り、景気回復後の立ち上がりのためにも、解雇は絶対できない」とうったえ、8月から月10万円の分割納付が実現しました。
確かな技術は業者の誇り
三人の経営のモットーは、「経営内容や方針はすべて従業員にも伝え共有する」ということです。この厳しい情勢を何とか切り抜けようと、従業員と力を合わせます。
「いま中小業者は『仕事よこせ』と声をあげているが、私は『難しい仕事は俺達がしてやる』という気持ちで進むべきだと思う。歴史的な日本の経済構造の中で、零細業者は大企業に都合よく使われてきた。会社は小さくても磨き上げた技術がある。こんな時こそいっそう技術を高め、時代にあった新しい仕事を切り開く中小業者の底力を実感したい」と、弟の治信さんからは、中小業者の仲間へのメッセージが。
神商連しんぶん2009年9月(第225号)より
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