「やっぱり仲間の後押し」新製品にかける夢 (05.09.01)
相模原民商 
坂田正己さん 
プラスチック射出成形 
坂田インジェクション 
TEL 0426−85−2105 
 長引く不況の中で、国内の製造業は壊滅的な打撃を受けています。津久井郡相模湖町でプラスチック成形業を営む坂田正己さんもその一人。しかし、幸運な出会いがあり、その危機を脱出としようと奮闘しています。

30歳で独立開業

 坂田さんは、1949年に新潟で農家の家に生まれ、一五歳で上京。夜間学校に通いながら働くという苦学生でした。卒業後、富士通(株)川崎工場に就職。そこでプラスチック射出成形でプラグやコンセントをつくる技術を学びました。富士通に五年間勤務し、取引先であるニコオン(株)の社長に誘われ、ニコオン(株)に就職。23歳の若さで相模原工場の工場長に就任しました。工場長といっても正社員は坂田さんのみで、あとはパート社員が従事しているだけでした。

 「これならば、自分でもできるのでは…」と思い立ち、30歳で独立開業。開業当時は相模原市上溝に工場をかまえ、当時で300万円もする機械装置を三台購入。「80年代にはいり、景気は高度成長期。仕事はありすぎるほどあった」と、振り返る坂田さん。最盛期は正社員一人、パート社員10人がフル稼働する忙しさでした。

お詫びに奥さんを…

 しかし、バブルが弾け、仕事が中国などの人件費が安い国へ流出するようになり、坂田インジェクションの業績は急激に悪化。工場の家賃が払えなくなり、やむなく地代の安い相模湖町へ自宅兼工場を移転しました。

 その頃に、坂田さんは令子さんと結婚。令子さんはニコオン鰍ノ勤務しており、仕事を通して知り合いました。坂田さん40歳の春でした。しかし、その後も業績は悪化。一時仕事が全くこなくなりました。「私に仕事をください」とニコオン(株)の社長に泣きつきましたが、「悪いが、坂田インジェクションに出せる仕事はない。お詫びに令子さんを再雇用するよ」と、結婚退職していた令子さんも働かざるをえませんでした。

夢のような話が!

 昨年に、「坂田さんに仕事を頼みたい人がいるから紹介するよ」と、坂田さん宅近くのラーメン「湖龍」での飲み友達から、願ってもいないチャンスが転がりこみます。話を聞くと、特許出願中のトラッキング現象や漏電防止機能をもった新タイプのコンセント製造の話しでした。坂田さんにしてみれば夢のような話ですが問題は資金。既存の借金の条件変更中である坂田さんが新たに借り入れをすることは大変に困難なことでした。融資を渋る半原信用組合に、「この融資が実現すれば、事業が伸びるのは確実。既存の融資の返済もキチンと返せる。力を貸してほしい」と熱心に訴えました。保証協会へも、支部の仲間の応援を借りて交渉。見事約1,000万円の融資が実現。融資を申し込んでから約半年がたっており、「あきらめないでよかった。民商の仲間のおかげで助かった」と喜ぶ坂田さん。坂田さんは、今年の春の運動期間中に、仕事を紹介してくれた飲み友達とラーメン湖龍を民商会員に誘っています。

 この新製品も試作段階となり、今秋からいよいよ量産にはいります。「まさに起死回生。これから忙しくなるよ。儲かったら新工場をつくるぞ」と、機械を動かしながら額に汗をかく、坂田さんです。


神商連しんぶん2005年9月号(第177号)より
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