【04.01.01】「人情が食事処“華”のいのち」好きな人と食べたいピンの味
横浜中央民商
飲食業
本田澄子さん
韓国家庭料理「華」
Tel 045-243-2102

 下町の安らぎが漂う桜木町音楽通り。目印は、今も正門前で、文明開化のガス灯をともし続けている本町小学校。食事処「華」は、息子さんが所有するビルの地下にあります。初めて訪れる人にはとにかくわかりづらいお店です。まるで食通さんの隠れ家(店)のようにひっそりしています。

本田さんの写真

情けは他人のためならず

 本田さんは在日二世です。浚渫(しゅんせつ)船で港湾作業をする会社の社長でした。その頃の澄子さんは家族に美味しい料理を作ることが大好きな専業主婦でした。

ご主人が46歳のとき心筋梗塞で倒れ、澄子さんの生活は激変しました。44歳の澄子さんは三世代8人家族の大黒柱になりました。

ご主人の会社を整理しながら仕事を探し、思いあぐねた末、私には料理しかないの結論に至りました。「でも、店を出す資金がない」と困っていると、「お世話になった恩返し」にと、むかし実家で面倒をみてもらったという夫婦が、日ノ出町の自社倉庫の一部を店に改造して提供。

 澄子さんの料理は評判を呼び、会社の役員や芸能人も足繁く通ってきました。

 だんだん手狭になり、店の引っ越しを考えていると、お客さんが本牧に新しい店を探してきてくれました。助かりました。

以来、22年、何度か店舗移転しましたが、そのたびに人の情けと絆の強さに助けられました。

料理することが生きがい

「ママの料理は、お通しから手抜きをしない。うまい」「コムタン(テール)スープは、風邪に一番、コラーゲンたっぷりだからお肌ツルツル」「自分一人だけで食べるには罪悪感があるから家族連れで」「この味を横浜からなくしたくない」、お客さんの評判です。

店で働いている本田さんの様子 子育てで培った料理の感性が常連さんを虜(とりこ)にする「華」の味です。

 「華」の料理に惚れて、食材はすべて「ママさんの所なら」と卸しのみなさんが一級品を入れてくれます。海鮮チヂミ、石鍋料理、バラエティ豊かな韓国家庭料理を仕入から仕込み・調理とすべて一人で切り盛りします。 「ママの味を失いたくないから、ママに倒れられたら困る」の常連さんの心配をよそに、「とにかく料理をつくることが大好きだから」と、笑います。

 若い女性客たちに要求され、店を解放してたびたび料理講習もします。

 お勧めの飲み物は、「珍島物語」(甲類焼酎)の「どくだみ高砂茶」(薬草茶)割です。焼酎と薬草の独特な匂いが消え、スッキリした余韻がたまりません。

「民商に出会って、長年の悩みが解決しました。今は、好きな料理だけに打ち込めて幸せです。」


神商連しんぶん2004年1月(第157号)より
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