| 【02.10.01】「女房に着せたい服をつくる」−縫製に愛をこめて− |
磯子港南民商 「ルピナ(株)」 佐々木宣雄さん(縫製業) TEL045-351-1165 |
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旭区と戸塚区の区境に接して保土ヶ谷・今井町の閑静な住宅街があります。バス通り脇のくねった道を少し行くと「Lupina」と手彫りされた瀟洒なレストランで見かける小さい看板が目に入りました。「ルピナ株式会社」、佐々木宣雄さんの縫製工房です。
情報開示で経営参加を案内されて中に入ると、とにかくアットホームなのです。そして、若やいでいます。 「一昨年から、仕事の方は全面的に若い人たちの考えでやっていくことにした」と、佐々木さんは話します。会社の経営状態も情報開示し、従業員はいつでもだれでもパソコンの経理ファイルを開くことができます。経営参画意識が生まれ、やる気が育ち、「夢をつくれる状況」が若い感性と創造性をひきだしています。出入りの運送業者が「社長の会社、すごく明るくなった」と驚嘆するほど、新風がたえまなく吹いています。ルピナ(株)はカシミア・リバーシブル素材の手作り仕立てにこだわっています。このこだわりが、パリやミラノのコレクションに発表する新作の仕事につながっています。 カシミアコートを5分の1の価格に今、アパレル業界は多品目少量生産の時代です。少品目大量生産時代、機械化の波はたくさんの縫製職人を失い、そして機械化にのめり込んだ同業者の倒産へと連鎖しています。 若いルピナ(株)の戦略は、受け身の委託加工から、民商運動でつちかった「人間ネット」販売方式の開拓と、紡績から生地を入れ・工房でデザイン・新作・そして売れてから生地の仕入代金を支払うという流通システムを確立しました。結果、通常価格が50〜60万円するカシミアのコートを10万円台で消費者に提供できるまでになりました。宮城の高校を出て東京に上京。洋装品の問屋に就職。横浜の縫製加工店に出入りし、72年・30歳で独立、今の会社をはじめました。佐々木さんの仕事へのこだわりは、東京の「メルサ」で、イブサンローランの150万円のコートを見た瞬間からです。「女房に着せたいと思わせる服を作る」を追求しました。 バブル崩壊で倒産した同業者とその従業員に懇願されて、青森に縫製工場を持ったのが原因で膨大な借金ができ、返済に窮迫していたとき、知り合いに磯子港南民商を紹介されました。借金返済で道場へ並木事務局長と2人、東京豊島民商「ひまわり道場」の門を叩き、仕事をつづける勇気と知恵を修得しました。3年前、豊島「道場」の認可を受け、磯子港南民商に道場を開き、佐々木さんは初代道場長となり、現在に至っています 「好きな仕事をやめることは、自分の全面否定、悲しい幕切れじゃあないですか。そんな業者を出しちゃあいけない。そのためにはもっともっと民商が大きくならないと駄目だ」と、激白する佐々木さんに、取材者は圧倒されっぱなしでした。 神商連しんぶん2002年10月(第142号)より
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