| 【01.11.01】書店として地域に貢献を忘れない永遠の青年 |
鶴見民商会員の萬納さんが経営する山陽堂書店は京浜急行電鉄の生麦駅前にあります。萬納さんのおじいさんが明治25年頃に東京青山で創業し、お父さんが生麦に出店。萬納さんが店を継いでからは45年。街の本屋さんとして親しまれています。民商運動で50年 太平洋戦争中の横浜大空襲でも運良く焼け残った生麦商店街、戦後の朝鮮戦争中の特需、その後の工場地帯の発展で人の往来も多く商店街は活気にあふれていました。 インフレが猛威をふるった昭和22、3年頃、街に立ち退き問題が発生し、税務署の割り当て課税が横行している頃、大学生だった萬納さんは民商運動を立ち上げ、時には要請を受けて、大学のまわりにある業者の組織化にもつくしました。萬納さんは全商連創立前から民商運動に関わっており、全商連50周年記念総会でも表彰をされています。 お客さんの励ましで… 規制緩和による大型店の進出、工場地帯の空洞化、その後の不況の中で、生麦商店街もさびれ、本屋さんも東販、日販など取次会社(問屋)のシェア争いと大型書店の過当な出店で、中小書店には売れ筋の新刊は配本されず、廃業が続出し、萬納さんも「2軒のうち本店の方をたたもうか」と何度も考えたといいます。 そんな時、萬納さんを勇気づけてくれたのは地域のお客さんでした。「続けてくれ」「この店がなくなると困る」と応援の言葉をもらいました。 また、店番をしている奥様の静子さんに学校帰りの子どもたちが「おばさん」と声をかけたり、近所のお年寄りが話し込んでいく光景を見て、「きびしくてもがんばろう」と決意をしました。 これからがおもしろい 萬納さんは商店街の会長、民商の副会長、また神奈川県書店商業組合の理事長(現在は理事)としても活躍し、※再販制度を守る運動に力を入れ、中小書店の権利擁護の立場に立ってはたらきました。 最近は、文筆活動に力を入れ、業界紙に「いま、書店が直面する3つの問題」を寄稿し、これが波紋を呼んでおり、ある中堅書店の社長さんからは「95%の書店は萬納さんと同じ立場だ」と言われました。「経済界ではルールなき闘いになっている」と怒りをこめます。 「小さくても地域に貢献する本屋になりたい。まだまだやるぞ。これからが1番おもしろい」と笑う萬納さんは74歳。「永遠の青年」という言葉がぴったりです。 ※「再版制度」…出版物再版制度といい、出版社が個々の出版物の定価を決めて、書店で定価販売ができる制度。これが廃止されると、定価がなくなり、売れ筋本しか流通しなくなる。また、大手販売店が有利となり、小規模の書店はますます苦しくなる。 神商連しんぶん2001年11月(第131号)より
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